部下をコーチングしたいと思った時に必要な、環境づくりのポイントとは?

コーチングを取り入れて部下を育成したいと考えた時、まず初めに何をすれば良いのか分からない、ということはないでしょうか。
この記事では、部下とコーチングをする前段階の、環境づくりについて4つご紹介しています。
ポイントをおさえた環境づくりをした上で、目標設定などのコーチングに取り組んでいきましょう。

Q 部下をコーチングするときの基本や心構えのようなものがあれば教えてください。

A 上司が部下をコーチングしたいと思ったら、まずは環境を整えることが大事です。

上司と部下がコミュニケーションを取れる環境ができていないのに、コーチングのテクニックを用いようとしてもうまくいきません。

極端なことを言うなら、部下と話す時間がろくに取れないのに、部下に目標設定させて動かそうとしてもうまくいかないのは明らかでしょう。そのようなことがないように、まずは部下とコミュニケーションを取るための環境作りをしてください。

そこで今回は、部下とコーチングをする前段階の環境作りのポイントについて4つご紹介します。以下の内容をきちんとできるようになったら、実際に目標設定などのコーチング的なアプローチを試みるといいでしょう。

 

〇部下の話を聴く意識を持つ

まず基本的なことですが、部下の話を聴く意識を持ってください。そんなことは当然していると思う方もいるでしょうが、本当にきちんと部下の話を聴くことができているでしょうか?ただ言葉を聴いているだけでは、部下の話を聴くことができているとは言い難いです。

部下の話を聴くときは、部下がどういう気持ちでどんなことを考えながらその話をしているのか考えて聴くことが大事です。相手の言葉そのものだけではなく、背景にある気持ちも汲み取り、受け止めるような意識を持つことで、こちらに聴く姿勢ができたということができます。

ただ話を聴くという行動をすればいいのではなく、相手の気持ちを受け止めた上で言葉を返してあげることが大事です。この心構えを持つことが、部下にコーチングをする第一歩であると言えます。

 

〇話しやすい雰囲気を出しているか自己チェックする

自分では普通にしているつもりでも、あなた自身に話しかけづらい雰囲気があるかもしれません。例えばいつも眉間にしわを寄せてデスクにいたら、若い部下は声をかけるのを躊躇してしまうことでしょう。

また、何か良くないことが起きたときにすぐに舌打ちするなどイライラを表に出すタイプの人も、部下から話しかけづらい、関わりは最小限にしたいなどと思われてしまいます。

また、見た目や行動だけではなく、部下と話すときの言葉の使い方も自己チェックしてください。「どうしてそんなことをしたのか」「そんなこともできないのか」というように、部下を追い詰めるようなことをポロっと言ってはいないでしょうか。もしも思い当たることがあるなら、すぐにやめましょう。声のトーンなども気を付けないと威圧感を与えてしまいます。

部下が委縮している状態で部下の話を聴いてコーチングをしようと思ってもうまくいきません。適当なことを言われて避けられてしまいます。

そうなることを避けるために、自分が話しやすい雰囲気を出しているか自己チェックしてみましょう。誰か正直なことを言ってくれる人がいるなら、その人に聞いても構いません。部下へのコーチングの準備ですが、あなた自身も変化、成長する必要があるのです。

無理にフレンドリーにする必要はありませんが、部下が必要以上に不安にならず、安心して声をかけることができる上司になることを目指しましょう。自分に悪い癖があるなら、すぐに直すようにしてください。

 

〇普段から声をかけておく

部下は、自分が下であるという意識があることもあって、気軽に上司に話しかけにくいです。部下があまり話しかけて来ない場合は、こちらから話しかけるようにしましょう。

挨拶や軽い話などでいいので、普段から声をかけるようにしておいてください。人見知りタイプの部下だったとしても、あなたが安心して話せる人だとわかれば、心を開いてくれるようになります。

コーチングに取り組む前に、普段からコミュニケーションを取るようにして、距離感を縮めておきましょう。

 

〇数分間でも部下の話を聴く時間を作る

部下と話ができていないという方の中には、自分が忙しすぎるせいで話ができないという方もいることでしょう。

そのような方でも、毎日数分間は部下と話す時間を作ってください。部下は、話を聴いてもらえないと、あなたに対して不信感を持つようになります。必要なときに聴いてもらえないから何を言っても無駄だと思われてしまうのです。

部下の不満が溜まらないようにしつつ、業務を円滑に進めるために、たった3~5分程度でいいので、毎日部下の話を聴くようにしてください。

これは部下の立場からすると、自分の言うことを数分で伝える必要があるということになります。部下が、自分がどういうことを上司に報告したくて、何を知りたいのか整理することができるようになるという効果があります。

忙しいのに話を聴いてもらえると思われることは、部下に信頼されることにつながります。コーチングもスムーズに行えるようになるので、多少無理してでも数分は部下の話を聴くようにしましょう。

 

〇まとめ

いかがでしたでしょうか。
部下へのコーチングですが、準備段階で自分自身も変化し、成長する必要があります。
自ら変わる姿勢を見せることで、部下もコーチングを受け入れやすい状態となるのですね。
環境づくりのポイントをおさえて実践し、これから取り組む部下へのコーチングを、有意義なものにしていきましょう。

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