コーチングやファシリテーションといった言葉について、耳にする機会が増えたものの、実はその違いがよく分からない、という方はとても多いです。
この記事では、両者の特徴と具体的な違いについてご紹介します。
コーチングとファシリテーションについての理解を深め、日常の業務に役立てていきましょう。
目次
Q コーチングとファシリテーションはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴と、わかりやすい違いがあるなら教えてください。
A コーチングとファシリテーションの違いがよくわからないという方はとても多いです。
どちらも今となっては耳にすることが増えた言葉ではあるのですが、具体的にどのようなものであるか、きちんと理解しているという方はあまり多くありません。
そこで今回は、コーチングとファシリテーションの特徴と、両者に具体的にどのような違いがあるのか、ご紹介します。
〇コーチングとは
コーチングとは、個人が目標達成、または成長するために、何が必要であるかを伝え、その人が自分で動くことができるようになることを促す方法です。相手が内省し、様々なことに気づくことを促す手助けをするのがコーチングというわけです。
基本的には部下など、自分より下の立場の人間になることが普通ですが、コーチングアップという言葉があるように、上司など、自分よりも上の立場の人間に対してコーチングを行うこともあります。
コーチングでは、双方向のコミュニケーションを行い、個別対応でその人が持っているものを引き出していきます。傾聴、質問、承認、構造づくり、フィードバックといったことを通して対応していきます。
コーチングのメリットは、相手が自立して前向きに動ける人間になれるということです。コーチングされた経験を生かせば、今後自分で目標に向かって動くことができるようになります。企業は自分で考えて動ける人材が育って欲しいと思っていますから、コーチングを重視する企業が増えていることもうなずけます。
まとめると
- 基本的に個別対応
- 双方向のコミュニケーションを行う
- 個人の内省、気づきを促す
- 個人の目標達成を支援する
- 傾聴、質問などのスキルを用いる
ものがコーチングであると言えるでしょう。
〇ファシリテーションとは
ファシリテーションとは、集団の参加者それぞれの力を引き出し、会議などの集団活動を容易にし、効率的に目的達成できるように支援することです。また、ファシリテーションをする人のことをファシリテーターと言います。基本的には会議で用いられる言葉ですが、会議に限らず、集団活動全てに関わるのがファシリテーションです。
一番わかりやすいので会議を例に出しましょう。会議では、声が大きな人ばかり意見をする、上の立場の人だけが話して全てを決めてしまう、各々が好き勝手に話して意見がまとまらないということがよく起こります。ファシリテーターは、各々の意見をまとめるなど、このような問題を解決し、集団が目的に向かってスムーズに前進するお手伝いをする役割を担っています。
ファシリテーターは、基本的には中立な立場を維持することを心がけます。特定の人を贔屓するということがありません。あくまでも中立を貫きながら、集団が目標達成できるように、雰囲気づくりや参加者の相互理解を促します。
ファシリテーターがいることによって
- 生産性が向上する
- スムーズに目標達成できる
- 一部の人だけが参加するという状況を改善できる
- 参加者の意見が活発化し、満足度が向上する
- チームワークが向上し、今後のモチベーションにつながる
といったメリットを得ることができます。従来の日本企業にありがちな人任せでダラダラとした集団活動を避け、メリハリのある活動を促すことができるのが、ファシリテーションです。
まとめると
- 集団に中立な立場で働きかける
- 参加者同士が相互理解し、意見の活発化を促す
- 集団の目標達成を支援する
ことがファシリテーションであると言えるでしょう。
〇コーチングとファシリテーションの違いは?
コーチングは個人に対応し、目標達成するために成長や気づきを促すことに対して、ファシリテーションは集団に働きかけ、目標達成するために参加者の相互理解、交流を促すという特徴があります。
この点が、コーチングとファシリテーションの大きな違いであると言えるでしょう。大まかに、個人の目標達成のためにやるものなのか、それとも集団の目標達成のためにやるものなのかという違いがあると思っていていいでしょう。
たとえ集団を相手にしていたとしても、それが集団全体の目標達成のためではなく、各々の目標達成のためにやっていたら、それはファシリテーションではなくコーチングであるということになります。
ただし、コーチングとファシリテーションには共通点もあり、自分の考えを押し付ける形にならないように気を付ける、メンバーのことを信用して力を引き出す方向性で関わるといったものが挙げられます。
〇まとめ
コーチングをするにしても、ファシリテーションをするにしても、あくまでも主役は相手だということを忘れないようにしましょう。相手のためにどうすればいいのかよく考え、相手を誘導して自己満足するということがないようにしたいですね。
コーチングとファシリテーションの違いをよく理解して、日常の業務にも役立てましょう。
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