コーチングというと上司が部下に対して行うイメージですが、実はコーチングには、部下が上司に行う「コーチングアップ」というものもあります。
しかし、上司相手にやろうと思っても、なかなかやりづらいものですよね。
この記事では、コーチングアップに必要な基本テクニックをいくつかご紹介します。
テクニックをおさえて、うまく上司を育てていきましょう。
目次
Q コーチングアップをしようと思っているのですが、上司相手ということもあってやりにくいです。自分でもできそうなテクニックがあれば教えてください。
A 部下が上司を育てるというコーチングアップは、一見奇妙に写りますよね。
部下が上司を育てるなんてありえるの?と思う方もいるでしょうし、実際にコーチングアップをやろうと思っても、目上の人間にアプローチすることはとてもやりづらいと感じる方も少なくありません。
ここでは、コーチングアップに必要な基本テクニックをいくつかご紹介します。ほんの些細なことに意識を向けるだけで、うまくコーチングアップできるようになるので、参考にしてみてくださいね。
○返答の仕方に気をつける
上司にコーチングアップするときは、返答の仕方に気をつけるようにしましょう。ただ「はい」「わかりました」と言うのではなく、「勉強になりました」「すごく参考になりました。ありがとうございます」「目標がはっきりとしました」などのような言葉を付け加えるだけで、印象は大きく変わります。
このような返答をされると、上司も嬉しい気持ちになります。アドバイスをした甲斐があったと思いますし、もっと手伝ってあげようという気持ちになります。
上司のプライドを満たし、嬉しくなる返答をすることで、上司の積極性を上げることができるわけです。自分に対してだけではなく、他の部下にもうまくコミュニケーションをとろうとしてくれるようになるので、チーム全体の利益につながります。
返答の仕方を工夫するだけで上司が育つわけです。何気なく使っている言葉も見直してみて、どう返答したらいいかなと考えてみるといいでしょう。
○提案するときは上司のプライドを考える
上司に何か提案をして、動いて欲しいときがありますよね。そのとき、上司のことを考えずに、自分の意見を通そうとするのは良くありません。
上司に何か提案をするときは、上司のプライドにも配慮しましょう。上司が提案について、アドバイスや手伝いをしたくなるように提案することが大事です。自分ではこうしたいけれども、上司はどう思うかと言ったり、指導をいただきたいと言ったりして、上司が積極的にのってくれるように工夫しましょう。
こちらの提案さえ聞いてくれれば後は勝手にやるから、という姿勢ではいけません。上司の協力を得られず、何かあっても助けてくれません。
何かをするときは、上司のことを巻き込むくらいの気持ちが必要です。上司にも考えてもらって、成長してもらいましょう。
また、提案するときは、あえて足りない意見を言うという手もあります。完璧な提案は理想的ですが、上司は何もする必要がなくなってしまいます。あえてちょっと足りない意見を言って、上司にわざと補足、修正してもらうわけです。
これなら上司もプロジェクトに参加している感じが出ますし、上司のプライドを満たすこともできます。
○質問の仕方が大事
コーチングアップで特に大事なのは、上司の話をきちんと聞くことと、質問をすることです。上司にうまく質問をすることができれば、できる部下だと思われますし、上司も能動的に動いてくれるようになります。
以下に、上司に質問するときのポイントをまとめましたので、参考にしてください。
・タイミング
質問をするときは、内容はもちろんのこと、タイミングも大事です。上司が忙しそうにしているときに質問をすると、間が悪いと思われてしまいます。上司の様子をうかがいながら、うまく質問することが大事です。
上司がいつも忙しくてタイミングがわからない場合は、2、3分など時間を指定してから質問するといいでしょう。それくらいなら聞いてもいいかな、と考えてくれる可能性は高いです。
忙しいのに質問してくるな、と思われないような工夫をしてください。
・上司にして適切か考える
その質問が上司にして適切か考えましょう。上司でなくても、同僚や先輩などに聞けば済むようなことかもしれません。報告、連絡、相談は大事ですが、全てのことを聞く必要はありません。基本的なことであれば、周りに聞いてみるといいでしょう。
ただし、他の上司や、上司よりも上の人に話をするときは、注意が必要です。事後報告でも構わないので、話をしたことを伝えた方がいいでしょう。直属の上司である自分に報告がないのはどういうことだ、と思われてしまう恐れがあります。プライドを傷つけないように気をつけましょう。
・上司を責める質問はNG
「どうして○○しないのですか」「早く決めてもらえませんか?」というように、上司を責めるような聞き方はNGです。こんな聞き方をされると、上司もストレスが溜まり、部下と関わりたくないと思ってしまいます。消極的な上司が、さらに消極的になるケースもあり、コーチングアップどころではありません。
上司に何か不満があっても、責めて動かすことはやめましょう。
・答えやすい質問をする
はい、いいえで答えられる質問や、選択肢を提示して選んでもらうなど、上司が答えやすい質問をしてあげることで、上司が積極的に答えてくれるようになります。的確に質問してくる、という印象を与えることができるメリットもあります。
上司に何か聞きたくて、動いて欲しいときは、答えやすい聞き方をしてあげるといいでしょう。
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