上司として部下を指導する身になると、特に配慮の必要がない部下もいれば、中には声かけをしたくても、どうやって声かけをすれば良いのか分からない部下もいますよね。
ここでは、繊細な部下への声かけのコツについてご紹介します。コツをおさえた声かけで、部下への不安を解消しましょう。
目次
Q 部下を指導する際に何に注意して声かけすればいいのかわからず困っています。下手なことを言うと部下のやる気がなくなりそうで不安です。何かコツはありますか?
A あります。
何も考えずに指導しても大丈夫な部下もいますが、中にはちょっとしたことでやる気をなくす部下がいます。そうした部下におびえてまともに指導ができなくては業務に支障が出てしまいます。
かといって無策に指導してもやる気をなくされてまともに話を聞いてくれなくなってしまう恐れがあります。繊細な部下への声かけにはいくつかのコツがあるのでご紹介します。以下の内容に気をつければ、部下への不安も解消されますよ!
○うまくいっていることを聞く
部下が仕事の進行状況について報告して来ない…問題がないからしないのか、何かあったから報告しにくくなっているかわからなくて困るということってありますよね。そういうときは、うまくいっていることを聞くといいでしょう。
「例のプロジェクトうまくいっているところある?」という風にいいところを聞くのがおすすめです。何か少しでもうまくいっているところがあれば教えてもらうようにしましょう。いいところなら話しやすく、尋問されている気持ちにならないのでおすすめですね。
もしも部下が何もないと言った場合は、プロジェクトがうまくいっていないか、その部下の自己評価が低い可能性があります。物事をネガティブにとらえる癖がついているんですね。良くやっていると思うようなことでも大したことがないと本気で思っています。普段の様子にも気を配り、適度にほめて自信をつけてあげるといいでしょう。
○うまくいっていることの後に困っていることについて聞く
まずうまくいっていることを聞いて部下といい雰囲気で話すことができたら、次に困っていることについて聞きましょう。些細なことでもいいので知りたいということを言いましょう。
せっかくうまくいっているところがあるのだから、困っているところがあるなら解決したいんだと言えば、部下も話してくれることでしょう。
困っているところを話してもらったら、怒鳴るなど感情的に対応することはやめてください。次から困っているところを聞いても話してくれなくなります。
困っているところを聞いたら、それを解決するためにどうしたらいいか一緒に考えましょう。どうしたらいいか考えがある場合もあるので、「それは確かに困ったね。解決するためにどうしたらいいと思う?」と聞いてみるといいでしょう。
○大変度を言わせる
自分が困っているところを言うことが苦手な部下がいます。特に優秀で高学歴の部下に多いですね。今まで自分の力で解決して生きてきたので、何か問題が起こっても自分で解決しようとします。人に迷惑をかけることに抵抗があって困っていることを言うことができないという人もいます。
そのような部下には仕事の大変度を聞くのがおすすめです。例えば大変度を10段階でいくらになるか言ってもらいます。低めに言うかもしれませんが、不定期に大変度を聞いておけば、以前より大変なのか余裕があるのか把握することができます。
もしも大変そうに見えたら、「大変度を減らすにはどんなサポートがあったらいいだろう?」と聞きましょう。サポートする、代わりに何かやると言うのではなく、どんなサポートが欲しいのか能動的に答えてもらいます。
大変度を言う習慣が身につけば、困っていて黙るということがなくなり、欲しいサポートを求めることができるようになるのでおすすめです。
○ゴールを明確にしてあげる
最低限のことはしているがいまいち積極性が見られない、仕事の進め方がチグハグだという部下がいます。そのような部下に指導をするときには、仕事のゴールを明確にしてあげるといいでしょう。
「このプロジェクトはどういう結果になったら理想だと思う?」と聞きます。部下がその質問に答えたら、「理想に少しでも近づくためどんなことをしたらいいかな?」と具体的な方法論を問います。
こうすることで目標が明確化し、その目標に向かってどのように動けばいいのかはっきりします。目標を自覚することができれば動きやすく、やる気が出るという人が多いです。
もっと効率良く動けと言うのではなく、効率良く動きたくなるようにゴールを明確にしてあげるといいでしょう。
○事実と感情(考え)を並べて話す
部下に指導するときに、感情の言葉だけ並べても反感を買うだけです。やる気がなくなるどころか不信感につながります。
部下に指導するときには、事実と感情(または考え)を並べて話すようにしてください。「プロジェクトが終わったね。お疲れ様。うまくいって嬉しいよ」「報告を3回怠ったね。報告がないとトラブルがあったときに対処できなくて困るんだ」などが一例です。
ただ偉いとほめる、ふざけるなと怒るのではなく、相手の事実を述べた上で自分の気持ち、考えを述べた方が言葉に説得力が生まれます。特に叱るときは自分自身が冷静になるためにも、事実と感情(考え)を並べるようにしましょう。
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