ファシリテーターという言葉を、近ごろ職場で聞くようになったと感じる方は多いでしょう。けれども、一体どういうものなのか、自分はファシリテーターに向いているのかと考えた時に、イメージがしにくいという声も聞かれます。
この記事では、ファシリテーターに求められる能力について解説しています。
ファシリテーターにチャレンジしてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Q 自分がファシリテーターに向いているのかどうか知りたいです。
A ファシリテーターに求められる能力はいくつかあります。
ファシリテーターに求められる能力が既に備わっている、または身に着けることに抵抗がない人はファシリテーターに向いていると言えるでしょう。今回は、ファシリテーターに求められる能力について解説します。
〇自己主張を抑える力
ファシリテーターに一番必要なのは、自己主張を抑える力です。というのも、ファシリテーターは自分の意見を主張するのではなく、周りが意見を言えるように調整する役割だからです。会議を進行するスキルがあったとしても、自己主張が激しく、自分の意見ばかり言っているのではファシリテーターの役割は果たせません。
また、自己主張を抑える力がないと、自分の考えと同じ人の意見をひいきしてしまいます。自分の考えと同じ人の意見はどんどん取り入れて褒めるのに、自分の考えと異なる人の意見は聞くだけ聞いて流すということになりかねません。これでは会議が一部の人のものになってしまい、ファシリテーターの存在意義がないものとなってしまいます。
ファシリテーターには自己主張を抑え、周りの意見を生かす能力が求められているのです。
〇自信
自己主張を抑える力は必要ですが、自信がないとファシリテーションを行うことはできません。自信がないとスムーズな会議進行は難しいでしょうし、各自の意見をまとめて調整することはできません。
自分はファシリテーターとして役割を果たすのだと、堂々と振る舞えるほどの自信がないと、目上の人間に忖度した会議をセッティングしてしまうことになるでしょう。それでは何のためにファシリテーターをやっているのか、分かりませんよね。
ファシリテーターは、自己主張を抑えつつ自信を持って堂々とファシリテーションをやる、というバランス感覚が大事なのです。
〇時間管理能力
時間にルーズな人はファシリテーターに向きません。効率のいい会議を行うとしたら、時間管理は無視できないからです。ダラダラと時間を浪費する会議を避けるのが、ファシリテーターの仕事です。会議の目標に対して適切な会議時間を設定し、当日の会議中も発言時間を区切ってうまく時間管理するのが役割となります。
よって、時間に敏感で、ある程度管理する能力のある人がファシリテーターに向いていると言えます。
〇会議デザイン力
ファシリテーターは、会議の目標を定め、時間内にどういうゴールに導けばいいのか考える力が求められます。一言で言うなら、会議をデザインする力が必要というわけです。どういう会議にしたいのかイメージを固めておけば、当日慌てることはなくなります。参加者の話が盛り上がって脱線してしまったときも、自分のデザインに基づいて、どのように誘導すればいいのか判断できます。
どういう会議をしたいのかイメージを固めて論理的に説明する力が、ファシリテーターには必要です。
〇人のタイプを見分ける力
会社には老若男女様々な社員がいます。当然性格も様々で、人によって行動の基準が異なります。その人がどういうことを不満に思い、どんな話をすれば納得してくれるのか見極める力も、ファシリテーターには必要です。その人のタイプを見分ける力がないと、うまく調整することはできません。
例えば反対意見ばかり言って会議進行の妨げになる人もいるでしょう。その人は本当に反対したくて反対しているのか、それとも反対することで自分の優秀さをアピールしたいのかによって、必要な言葉かけも変わるでしょう。
また、その人がデータにこだわる人ならデータを提示すれば納得するでしょうし、前例を重視するタイプなら前例との共通点を発表者に挙げてもらえば、納得する可能性が高いです。その人がいつも人の意見に反対する場合、事前に発表者にその人が納得するような事柄を入れるように言っておけば、その人が反対する確率を下げることができます。
会議に参加する人間同士を調整するためには、相手をよく見て理解する力が必要不可欠です。普段から社員同士の力関係や性格を意識して見るようにすれば、ファシリテーションもやりやすくなります。
〇共感・質問力
人のタイプを見分ける力とも関連しますが、ファシリテーターは相手に共感し、質問する力が必要です。相手を理解することにつながりますし、あまり意見を言わない人の発言をうながすときにも必要となるスキルです。質問の良し悪しによって、発言のしやすさは大きく変わるものです。適切な質問を挟むだけで、会議活発化のきっかけをつくることができるのです。
〇まとめ
いかがでしたでしょうか。
ファシリテーターに必要な能力を見れば、自分がファシリテーターに向いているかどうかがわかります。
しかし、ファシリテーション自体は、知識を身に着け訓練をすれば、ある程度は誰にでもできることでもあります。
自分は向いていないからやりたくないと思わず、チャレンジ精神を大事にしましょう。
最初は大変かもしれませんが、慣れるとファシリテーターの立ち位置も楽しめるようになりますよ。
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