仕事をうまくこなす能力と、部下のやる気を引き出し、成長を促す能力とは同じものではありません。
基本的な心構え、注意点を押さえてコーチング能力を向上させ、部下のやる気を引き出し、成長を促しましょう。
目次
Q 部下をコーチングするにあたっての基本的な心構えはありますか?
A 部下にコーチングする際の基本的な心構え、注意点は存在します。
よく優秀なプレーヤーが優秀な監督になるとは限らないと言いますよね。ビジネスでも同じで、今までばっちり仕事をこなすことができていた優秀な人が、コーチングまでできるとは限りません。業務をこなす能力とコーチングの能力は別物だからです。
そこでここでは、部下をコーチングするときの基本的な心構え、注意点をご紹介します。以下にまとめてある内容を意識することができれば、コーチング能力がぐっと上がりますよ。一体どんな点に気をつければいいのか、一つずつ見ていきましょう。
○リーダーに必要なのは強さと優しさ
まずうまくコーチングを行うためには、部下に尊敬されるようなリーダーにならないといけません。尊敬できない人の言うことは誰しも聞きたくないと思いますから。
ではどんな人物が尊敬されるか。それは強さと優しさを兼ね備えたような人物です。リーダーとして頼れる存在で、仕事をバリバリこなす能力があること。これが強さです。これは優秀だった人は持っているものでしょう。
部下の手本となることができますし、部下が困ったときに頼ろうと思ってくれます。強さがないリーダーは部下に馬鹿にされることも多く、部下の成長の妨げになってしまいます。まずは自分のことをきちんとこなし、自信を持って堂々と振舞うことを意識する必要があります。
しかしながら、強さがあるだけでは優秀なリーダーであるとは言えません。もしも強さだけが必要な要素なのなら、優秀な人物はみんな優秀なリーダーとなるはずです。
強さと同時に優しさも必要です。安心感を与えるような優しさですね。優秀でも威圧的なリーダーの前では部下は萎縮してしまい、自分で物事を判断しないようになります。常にリーダーの機嫌を伺うようになってしまい、成長が見込めません。
ここで言う優しさとは、部下がいざというときに頼ることができ、部下が責任を持って行動することができるようにするよう安心感のことです。部下の話をきちんと聞いて受け止めようとする姿勢も優しさの一つであると言えるでしょう。
部下の成長を促すためには、まず自分自身が手本となり、同時に部下を受け止め成長を見守るような器の大きさが必要なのです。どちらが欠けてもいけません。部下が思うように動かないという方は、自分に欠けている要素がないか思い返してみるといいでしょう。
○自分や他の部下と比べない
優秀な人がやりがちなのが、自分はこうだったのに…と、自分と部下を比較することです。自分の優秀さをひけらかすような形になりますし、過去の自分を利用して相手を押さえ込んでいるような構図となり、部下の不満が大きくなります。
また、他の部下と比較することも良くありません。あいつは優秀なのにお前は…という言い方をされると、自尊心が傷つきやる気がなくなります。本人が無理だと思うようなことを言われても意味がないのです。
部下をコーチングするには、自分や他の部下と比べることはやめましょう。その人自身をしっかり見るようにして、以前に比べてその人がどれだけ成長したのかという点に注目して指導します。この方法のメリットは、部下が自分の成長を自覚することができ、成功体験を積み重ねることで自信を持つことができるという点にあります。やる気が出やすいんですね。
本人の頑張り、成長、変化をきちんと見てあげて評価するようにしましょう。
○どう思うか問いかける
部下がどうしたらいいか質問してきた、部下がミスをしたなど、必要だと想う場面で、部下にどう想うか問いかけるようにしてください。こうすることで、部下が自分で考えることが習慣化されます。
自分で答えを教えてあれもこれもと指示を出すことはとても簡単です。言ってしまえば楽です。しかしそれでは、部下が成長しません。指示がないと動けないという指示待ち人間になってしまいます。
部下が正しい判断をすることができるようになるためにも、なぜそれをしたのか、それについてどう思うかというように問いかけるようにしましょう。
また、部下が答えたときは、それを否定するようなことを言うのはやめてください。何を言っているんだ?と思ったとしても、それは内心で留めておくべきです。
部下の発言、考えに問題があっても、部下を否定するのではなく、問題点を冷静に指摘してください。間違っても怒鳴ったり、人格を批判するようなことをしてはいけません。
相手のことを認め、受け止めた上で問題を解決するのがポイントです。
○まとめ
部下へのコーチングではまず自分に強さと優しさがあるかチェックしましょう。まずはこれがないと部下が言うことを聞いてくれません。
部下と関わるときは、自分や他の部下と比べず本人の変化を見てあげる、常になぜそうしたのか、どう思うのか考えを聞くことがポイントです。そうすることで部下がやる気を出し、徐々に成長していくことでしょう。
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